ABOUT ME
- 企業の総合職で働くワーママ
- 日・英・中のマルチリンガル
- 海外渡航歴20カ国以上
- イギリスの大学院で修士号取得
- 子どもの習い事が続かない原因と対処法|やめ癖がつく前に親ができること
- 習い事が続かない子どもに共通する5つの原因
- 習い事が長続きするための5つの対処法
- 習い事は「続けること」だけが正解じゃない
- 習い事が続かない時に知りたい「水平的」「垂直的」学びという考え方
- 習い事における「水平的学び」とは?
- 水平的学びだけでも十分?
- 子どもが「習い事を辞めたい」と言ったら?
- 習い事における「垂直的学び」とは?
- 水平的学びから垂直的学びへ
- まとめ | 子どもの習い事が続かない原因と対処法
子どもの習い事が続かない原因と対処法|やめ癖がつく前に親ができること
「せっかく始めた習い事なのに、またやめたいと言い出した…」
「続ける力を育てたいけど、無理やりは続かないし…」
子どもの習い事が続かないと、親としてどう対応すればいいか悩みますよね。
実は、習い事が続かないのには理由があり、少しの工夫で子どものモチベーションを支えることができます。
この記事では、子どもが習い事をやめたくなるよくある原因と、親ができる具体的な対処法をわかりやすくご紹介します。
習い事が続かない子どもに共通する5つの原因
1. 本人の「やりたい」が薄かった
親の期待で始めた習い事や、「お友達がやっているから」という理由だけで始めた場合、モチベーションが長続きしにくい傾向があります。
「◯◯ちゃんもやってるから楽しそうだよ」
「将来役に立つからやっておいたほうがいいよ」
…という親の言葉に押されて始めたものの、いざ始めてみると「自分で選んだ感覚がない」と感じてしまうことも。
2. 思っていた内容と違った
「絵を描くだけだと思ったら、最初にマナーや道具の使い方を学ぶばかり」
「サッカーの試合をたくさんできると思っていたのに、基礎練習ばかり」
体験レッスンと実際の内容にギャップがあると、子どもはがっかりして気持ちが冷めてしまうことも。
3. 成長の実感がない・ほめられない
頑張っても成果が見えにくいと、「やっても意味がない」と思ってしまいがちです。
特に褒め言葉が少ないと、自己肯定感が育ちにくく、「自分には向いてないかも」と思ってしまう原因になります。
4. スケジュールや移動がしんどい
保育園・幼稚園・学校が終わった後に習い事があると、体力的にも精神的にも負担に。
夕方にお腹がすいて集中力が続かない、移動中に眠くなるなど、大人が思っている以上に疲れていることもあります。
5. 周囲との比較で自信をなくす
同じクラスに上手な子がいると、「自分はできない」「恥ずかしい」と感じてしまい、行きたくなくなることがあります。
年齢差や経験年数の違いによって、自然と比較が生まれてしまうのも一因です。
習い事が長続きするための5つの対処法
1. 「やめたい」と言われたときは、まず共感
「やめたい」と言われると、つい「また途中で投げ出すの?」と焦ってしまいますが、最初に必要なのは共感です。
「そうなんだ、行きたくない気持ちがあるんだね」
「今日はどうだったの?」
と、気持ちを受け止めるだけで子どもの心は安定します。
親が味方だと分かると、心を開きやすくなります。
2. 「なんでやりたかったか」一緒に思い出す
過去に「やってみたい!」と目を輝かせていた瞬間を一緒に思い出してみましょう。
その時のワクワクを取り戻すことができれば、気持ちが前向きに戻ることもあります。
「○○の時、楽しそうに話してたよね」
「◯◯ができるようになりたいって言ってたよね」
と、優しく問いかけてみるのがコツです。
3. 小さな“できた!”を見つけてほめる
「昨日より大きな声が出せたね」
「初めて自分から手を挙げられたね」
など、結果よりプロセスを認めてあげることが大切です。
親が気づいてほめてくれることで、「続けてみようかな」という気持ちにつながります。
4. 負担が大きすぎるときは「お休み」も選択肢
「やめる」か「続ける」かの二択ではなく、「一度お休みしてみようか」という第三の選択肢もあります。
数週間離れてみると、「やっぱり行きたい」と言い出す子もいます。
一度離れることで、気持ちをリセットすることができることもあります。
5. その習い事で育てたい力を再確認する
たとえば…
-
ピアノ → 楽譜を読む力・集中力
-
サッカー → 協調性・体力・思いやり
-
英語 → 興味・発音の耳・コミュニケーション力
目的を明確にすれば、手段を変えることもできると気づけます。
「この習い事じゃないとダメ!」という思い込みを手放すことが、子どもに合った環境を探す第一歩になるかもしれません。
習い事は「続けること」だけが正解じゃない
習い事を途中でやめると、「またやめちゃった…」と落ち込む親御さんも多いですが、大切なのは「納得してやめたかどうか」です。
やめた経験も「自分に合う・合わないを知る力」「自己判断力」につながります。
子どもにとって習い事とは、“自分の興味を試せる貴重な体験”です。
やり抜く力と同じくらい、「自分に合わないものから距離を取る力」も、これからの時代に必要なスキルです。
習い事が続かない時に知りたい「水平的」「垂直的」学びという考え方
習い事の目的は多様
子どもに習い事をさせる目的は家庭によってさまざまです。
スキルを身につけさせたい、将来の選択肢を広げたい、友達を作る機会を増やしたいなど、親の考え方によって異なります。
しかし、習い事の本質を考えると、大きく「水平的学び」と「垂直的学び」の二つの側面があることがわかります。
特に幼児期や低学年の子どもにとっては、この二つの学びのバランスが大切になります。
この考え方は、教育者であり作家の石田勝紀さんの執筆に基づいています。
石田さんは、習い事において幅広い経験を積むことの重要性と、子どもが自主的に深める学びの価値を強調されています。
習い事における「水平的学び」とは?
習い事の成果よりも新しい世界を体験することが重要視
「水平的学び」とは、幅広い経験を積むことを目的とした学びのことです。
この学びでは、一つの習い事で成果を出すことを重視するのではなく、さまざまな活動を通じて「経験すること」を大切にします。
例えば、ピアノ、サッカー、絵画、ダンスなど、いろいろな習い事を経験することで、子どもは「楽しい」「興味がある」「向いているかも」といった感覚を養います。
習い事の成果よりも、楽しむことや新しい世界を体験することが重要視されます。
この水平的学びの最大のメリットは、子どもの好奇心を刺激し、将来の可能性を広げることにあります。
「面白い」「楽しい」と感じた経験が積み重なれば、学ぶこと自体に前向きな気持ちを持てるようになります。
習い事で多様な経験を積むメリット
多様な経験を積むことで、子どもの適性や興味を親が把握しやすくなるという利点もあります。
例えば、スポーツが得意か、美術的な才能があるか、論理的思考が好きかといった特性が見えてくることで、将来的にどの分野を深めるべきかの参考になります。
一方で、幼い頃から一つの習い事に対して「しっかりやらなければならない」「結果を出さなければならない」と考えすぎると、習い事がストレスになり、学びへのネガティブな感情が生まれることもあります。
そのため、小さいうちは水平的学びを大切にし、気軽にいろいろな体験をさせることが望ましいという考え方です。
水平的学びだけでも十分?
水平的学びは人生を豊かにするための基礎
「垂直的学び」に発展しなくても、水平的学びだけでも十分に価値があります。
幼少期の学びは、将来の専門性を築くためだけでなく、人生を豊かにするための基礎を作ることが目的の一つです。
たとえば、ピアノを習った子どもが将来ピアニストにならなくても、音楽を楽しむ力が身についたり、リズム感が鍛えられたりします。
スポーツを習った子どもがプロ選手にならなくても、体を動かす楽しさや協調性を学ぶことができます。
どの経験も決して無駄ではなく、人生のどこかで必ず役立つ要素を持っています。
子供にプレッシャーをかけない
「何かを極めなければならない」というプレッシャーをかけるよりも、さまざまな経験を通じて「学ぶことは楽しい」という感覚を育てることが、子どもの成長にとって最も重要です。
子どもが「習い事を辞めたい」と言ったら?
習い事をやめることは「失敗」ではない
子どもが習い事を続けたくないと言ったとき、多くの親は「せっかく始めたのだからもう少し頑張ってほしい」と考えるかもしれません。
しかし、習い事を続けること自体が目的になってしまうと、子どもにとって負担になり、学びへの意欲が下がってしまうこともあります。
このような場合こそ、「水平的学び」の考え方を活かせるのではないのでしょうか。
習い事をやめることは「失敗」ではなく、「次の新しい経験をする機会」だと考えるのです。
例えば、ピアノを辞めたいと言う子どもがいれば、「ピアノを通じて何が楽しかった?」と聞いてみることで、子ども自身が経験の中にあるポジティブな要素を再認識できます。
また、ピアノが合わなかったとしても、音楽への興味は残るかもしれません。
そうであれば、歌を歌うことが好きか、別の楽器を試してみたいかを話し合うことで、次の学びにつなげることができます。
一度やめても、また挑戦していい
また、水平的学びを活かすことで「一度やめても、また挑戦してもいいんだ」と思えるようになります。
例えば、幼いころに水泳を辞めた子が、小学校高学年になって「やっぱり泳げるようになりたい」と言って再び始めることも珍しくありません。
さまざまな経験をしたうえで「もう一度やりたい」と思うことが、垂直的学びにつながることもあります。
習い事における「垂直的学び」とは?
自ら学びたいという自主的な学び
一方で「垂直的学び」とは、子どもが自ら深く学びたいと感じたときに生まれる学びです。
これは、親が「やりなさい」と言わなくても、子どもが自主的に探求し、努力し続けるような状態を指します。
例えば、サッカーを習っていた子が自主的に練習するようになったり、ピアノのレッスン以外でも自分で弾くようになったりすることがあります。
これは、子どもがその活動に心から夢中になっている証拠です。
また、垂直的学びが生まれる背景には、良い指導者や環境の影響が大きいです。
習い事の先生やコーチが子どもの興味を引き出し、適切に導いてくれると、子どもは自然とその分野に没頭していきます。
石田勝紀さんも、指導者の質が子どもの学びに大きく影響を与えると述べています。
子どもが「この先生に教わりたい!」と思えるかどうかは、学びを深める重要な要素なのです。
水平的学びから垂直的学びへ
幼い頃は、まず水平的学びを通じてさまざまな経験を積むことが大切という考え方があります。
その中で、子ども自身が「もっとやりたい!」と思うものが出てきたら、それを深めていくことで、自然と垂直的学びへと移行します。
興味や関心に応じて、学びの方向を変えていく
例えば、いくつかのスポーツを経験した子が、特にサッカーに夢中になったとします。
その場合、サッカークラブを変えたり、よりレベルの高い指導を受けたりすることで、より専門的に学ぶことができます。こ
のように、子どもの興味や関心に応じて、学びの方向を変えていくことが大切です。
また、水平的学びの段階で「苦手なこと」「興味が湧かないこと」にも気づくことができます。
これもまた貴重な学びの一つであり、無理に続けるよりも次の興味を見つけるきっかけになります。
関連記事
まとめ | 子どもの習い事が続かない原因と対処法
習い事には、「水平的学び」と「垂直的学び」の二つの側面があるという考え方はとても参考になります。
幼い頃は、まず水平的学びを重視し、さまざまな経験を積むことで子どもの好奇心や興味を広げることが大切。
その中で、特に夢中になれるものが見つかれば、自然と垂直的学びへと移行していきます。
親として大切なのは、子どもの「楽しい!」という気持ちを尊重し、無理に結果を求めないことです。
多くの経験をさせることで、子ども自身が本当にやりたいことを見つけ、才能を伸ばしていくことができるでしょう。
私自身、子どもの興味と可能性を引き出すために、まずは広く経験させ、その中から自主的に学びを深める機会を見つけていけたらいいなと思いました。