
幼児が電卓を使うのは早すぎる?
遊びを通じて“数字の感覚”を育てる工夫
6歳の子どもが、ある日「電卓を使いたい」と言い出しました。
きっかけは、家族で遊んでいた「人生ゲーム」。
お金のやりとりが多く、しかも1千、1万、5万、10万といった大きな数字が飛び交います。
暗算では追いつかない場面が多くなり、自然と「計算機がほしい!」となったのです。
正直なところ、私はちょっと迷いました。
「電卓って、こんなに小さい子に使わせていいのかな?」
「計算力が育たないんじゃないかな…」
そんな疑問を持ちつつ、実際に使わせてみたところ、意外にも多くの学びがあったのです。
この記事では、幼児が電卓を使うメリット・デメリット、そして親としてできる工夫についてまとめました。
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幼児が電卓を使うのは早すぎる?という疑問
電卓は、たしかに“便利すぎる”道具です。
数字を入力してボタンを押せば、答えが一瞬で出ます。
大人にとっては当たり前のこの機能、幼児にとっては「魔法」に見えるかもしれません。
でも今回は、遊びの中で必要性が生まれたというのが大きなポイントでした。
使わせたことで、子どもなりに数の面白さに気づき、どんどん積極的に関わるようになったのです。
電卓を使うことで得られた3つのメリット
1. 桁の感覚が育つ
「10000」や「12500」など、普段は見慣れない大きな数字を扱ううちに、「ゼロが5つで10万」など、桁数に対する感覚が育ってきました。
ゼロを数えたり、「この数はいくらの束?」と聞いてくることもあります。
人生ゲームで“桁の感覚”がぐんぐん育つ!
わが家では、最近6歳の子どもと一緒に人生ゲームを楽しんでいます。
すると、思わぬところで“数の感覚”が育ち始めました。
たとえば、「12500ドルもらえる!」といった金額が登場すると、最初は「ゼロがいっぱいでわかんない」と戸惑っていたわが子。
でも、何度もプレイするうちに、次第に「ゼロが5つで10万か」「これは1万円札が何枚分?」と、桁の大きさに興味を持ち始めました。
15600ドルだから、10000ドルと、5000ドルと600ドルだよね、など大きな数を分解して理解できるようになりました。
ただ数字を読むだけでなく、「お金のまとまり」「ゼロの数」といった“桁の感覚”が自然と育っていくのは、人生ゲームならではの学びかもしれません。
2. 数字への苦手意識が減る
計算に失敗しても、「あ、間違えちゃった〜!」と笑いながらやり直しています。
答えが出ること自体が楽しいので、「算数=難しい」ではなく「算数=面白い」に変わってきました。
3. 自分で試す力が伸びる
最初は簡単な引き算ばかりでしたが、次第に自分で式を作って試すように。
「25000円あって、5000円払ったらいくら残る?」といった実生活につながる計算を自分からやるようになりました。
気をつけたいデメリットと注意点
計算力が育たなくなる心配
何でも電卓に頼るようになると、暗算や筆算を考える機会が減ります。
繰り上がり・繰り下がりの仕組みを理解する前に、「ただ答えを出すこと」ばかりになると、本質的な算数力が育たない可能性も。
我が家では、ある程度算数の概念がわかるようになってから計算機を使いました。
👇幼児期の算数の教え方について以下のブログにまとめました。
数の意味が分からないまま答えが出る
「7810+90=7900?あれ?」など、数の仕組みがよく分かっていないまま操作していると、間違っても気づかないことがあります。
「使えること」と「理解していること」は違う
電卓を使いこなしているように見えても、実は仕組みを理解していないということもあります。
あくまで“補助”として扱いたいところです。
幼児向けの計算機(電卓)の選び方
6歳児と使ってわかったポイント5つ
「電卓って、何歳から使わせていいの?」
「どんなタイプなら子どもにも扱いやすいの?」
我が家では、6歳の子どもが人生ゲームをきっかけに電卓に興味を持ち、実際に使い始めました。
そのとき感じたのが、
「子ども用にぴったりの電卓って、意外と少ない!」
ということ。
大人用の機能が多すぎる電卓や、押しにくいもの、画面が見づらいものなど、幼児には不向きなものもたくさんあります。
今回は、幼児向けにおすすめできる計算機の選び方を、実体験をもとにご紹介します。
1. ボタンが大きくて押しやすいこと
幼児の小さな指でもしっかり押せる、「大きめのボタン」は最重要ポイント。
数字の配置が整っていて、「押した感触(カチッ)」がしっかりあるものがおすすめです。
タッチ式や平たいボタンは、反応が悪かったり、押したかどうか分からずストレスになりやすいです。
2. 表示が見やすい(数字が大きい・反射しにくい)
子どもが「答えが見えない…」とならないように、
液晶の数字が大きく、太めのフォントで表示されるものを選びましょう。
液晶が斜めからでも見える「チルトディスプレイ」や、画面に角度がついたタイプもおすすめです。
3. 機能がシンプル(四則演算だけでOK)
幼児にとっては、+ − × ÷ と=(イコール)だけあれば十分!
メモリー機能やパーセント、関数などは使いませんし、誤操作の原因になります。
シンプルな「8桁表示・基本機能のみ」の電卓がベストです。
4. 安全性と耐久性があること
子どもが手荒に扱うことも想定し、
軽すぎない・壊れにくい・電池の蓋がしっかり閉まる構造を選びましょう。
また、角が尖っていない・素材が滑りにくいことも意外と重要です。
5. 見た目が子ども好み or 学習意欲がわくデザイン
「見た目が可愛い」「自分専用っぽい」と感じられると、子どもはより使いたがります。
・カラフルで明るい色
・キャラクター電卓(あまりごちゃごちゃしないもの)
・小学生向けドリルシリーズから出ている学習電卓
など、“勉強っぽくないけど学べる”デザインがちょうどいいです。
幼児におすすめの電卓
我が家で使ってよかったのは、シンプルな卓上電卓。
・表示が大きく
・ボタンの押し心地がよく
・ソーラー&ボタン電池併用で長持ち
子どもが間違えて変な機能を押す心配もなく、ストレスフリーで使えています。
親としてできる、電卓との付き合い方
私たち親にできるのは、「ただ使わせる」ではなく「どう使うかを一緒に考える」ことだと感じています。
✅電卓は「簡単な計算ができるようになってから」がおすすめ
我が家では、先に算数ドリルでたしざん・ひきざんの基礎を学んでから、電卓を使わせるようにしました。
👇算数教材については以下のブログに書きました。
最初から機械に頼るのではなく、計算の意味や仕組みを理解した上で“便利さ”を体験させたかったからです。
実際に、暗算で考えたあとに電卓で答え合わせをするスタイルにしたことで、
「合ってた!やった!」という成功体験がどんどん積み重なり、計算に対する自信にもつながりました。
✅ まずは自分で考えさせてから使わせる
「これ、いくらになると思う?」「じゃあ電卓で確かめてみよう!」という流れにすることで、考える習慣がつきます。
✅ 操作そのものを一緒に楽しむ
「この“C”って何のボタン?」「あ、押すと消えるんだ!」という発見も大切な学びです。操作の仕組みを探るのも、探究心をくすぐります。
✅ “遊び”の中で使わせる
人生ゲームや買い物ごっこなど、目的がある遊びの中で使うと、学びと実体験がつながります。
計算機が活躍する!幼児が楽しめる“数あそび
電卓(計算機)は、大人だけの道具でなく、幼児〜小学生の「数の感覚」を育てる遊びにも活躍します。
特に、まだ筆算や暗算が難しい年齢でも、ボタンを押せば“自分で”正しい答えにたどりつけることが、子どもにとって大きな喜びになります。
① 人生ゲームで「お金のやりとり」係
最初におすすめなのが、「人生ゲーム」のお金係。
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お給料:8万円
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家を買う:マイナス30万円
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子どもが生まれてお祝い金:プラス1万円
など、収入と支出の計算をどんどん任せていくと、自然と足し算・引き算が身につきます。
【ポイント】
✅ 親が「電卓係」を任せて、「計算してくれて助かる〜!」と声かけすると、責任感&やる気アップ!
② お店やさんごっこ(レジ係)
「おかねあそび」として定番のレジごっこも、計算機が活躍。
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商品を選ぶ
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合計金額を電卓で出す
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おつりを計算
【おすすめアイテム】
- おもちゃのお金 or 実物に近い紙のお札
- 商品に値札をつける(例:りんご=120円)
【ポイント】
「今日は電卓なしで計算してみる?」というステップアップも◎
③ クイズ形式で「たし算・ひき算ゲーム」
数字が好きになってきたら、クイズ形式も楽しいです。
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「50円のチョコを3つ買ったらいくら?」
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「100円持ってて、70円使ったら残りは?」
まずは自分で考える → 電卓で答え合わせ
という流れにすると、考える習慣+正解の喜びがセットで育ちます。
【ポイント】
✅ ストップウォッチを使って「3問クイズに挑戦!」のようなタイムチャレンジにしても◎
④ 電卓で「数字探しあそび」
電卓の数字ボタンを使って、「ミッション形式」のあそびもできます。
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「1、2、3を順番に押してごらん」
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「7と3でたし算してごらん」
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「5+?=10になるようにしてみよう!」
シンプルだけど、数の仕組みやイメージ力がぐんと育ちます。
【応用】
✅ 大きい数にも挑戦(例:1000+200など)
まとめ|電卓は“早すぎる”道具ではなく、“使い方しだい”で学びの相棒に
6歳という年齢で電卓を使うのは、確かに早いかもしれません。
でも、
「どうしてこの答えになるんだろう?」
「ゼロがいくつで、いくらになるんだろう?」
そんな問いが生まれた時、それを一緒に楽しめる大人がそばにいれば、
電卓は“ただの機械”ではなく、学びのパートナーになります。
便利だからこそ、上手に付き合っていきたいと思います。
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