ABOUT ME
- 企業の総合職で働くワーママ
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- イギリスの大学院で修士号取得
- 傷つきやすい子供たちの将来性:感受性が秘める可能性と成長への道
- 1. 感受性の高さと創造性:感受性が生む新たな発想
- 2. 高い共感能力とリーダーシップ:感受性が育む優れた指導力
- 3. 高い感受性が育む倫理観と社会的責任感
- 4. 精神的な回復力(レジリエンス)の発達:困難を乗り越える力
- 5. 親や周囲のサポートが鍵:環境が成長を支える
- まとめ:傷つきやすさを才能に変える力
傷つきやすい子供たちの将来性:感受性が秘める可能性と成長への道
子育てにはさまざまな挑戦がありますが、特に「傷つきやすい」とされる子供を育てることは、大変だなと感じる親が多いのではないでしょうか。
我が子も繊細なタイプで、よくお友達に言われた子どばに傷ついています。
傷つきやすい子供は、周囲の言動や環境に敏感に反応し、些細なことで深く傷つくことがあります。
彼らは他の子供たちと比べて感情が揺れやすく、そのために親としては日々の育児の中で不安や心配を感じることも少なくありません。
特に、感受性が高い子供たちは、他の子供たちが気にしないようなことにも傷つきやすく、その度に親としては心を痛めることがあります。
しかし、この「傷つきやすさ」や感受性の高さは、実は子供たちの将来において大きな可能性を秘めているのです。
感受性が高い子供たちは、創造性や共感力、倫理観、リーダーシップなど、さまざまな分野で優れた能力を発揮することがあります。
この感受性が大きな力となり、子供たちは自己成長を遂げ、社会で重要な役割を果たす人間へと成長することができるという研究があります。
この記事では、感受性の高さが子供たちにもたらすポジティブな影響について学術的な視点を交えながら探求し、傷つきやすい子供たちの将来性を前向きに捉え直していきます。
1. 感受性の高さと創造性:感受性が生む新たな発想
創造性の源泉としての感受性
感受性の高い子供たちは、その特性が創造的な思考を促進することが多いという研究があるます。
心理学者Eysenck(1993)の研究によると、創造性の高い人々は一般的に感受性が高い傾向にあり、感受性が新たなアイデアを結びつける力を持っているとされています。
感受性の高い子供たちは、周囲の刺激を他の人々よりも敏感に受け取るため、それを新しい形で再構築し、創造的な発想を生み出す基盤になります。
J.K.ローリング
例えば、作家のJ.K.ローリングは、幼少期に繊細で内向的な性格だったため、学校でいじめを受けたこともありました。
しかし、その経験を空想の世界に反映させることで『ハリー・ポッター』シリーズの豊かな物語世界を築き上げました。
スティーヴン・スピルバーグ
また、映画監督スティーヴン・スピルバーグも、子供時代に感受性が高く、孤独や内向的な性格が映画の制作に対する情熱と結びつき、後に世界的な名作を生み出しました。
創造的思考の特徴
Eysenckの研究は、創造的な個人が「認知的脱抑制」と呼ばれる特徴を持つことを示しています。
これは、通常なら無視されるような情報をも受け入れ、さまざまな角度から物事を考え直す能力です。
この特徴を持つ子供たちは、環境から受ける微細な刺激を、他の人々と異なる形で処理し、創造的なアイデアへと変換することができます。
2. 高い共感能力とリーダーシップ:感受性が育む優れた指導力
共感力とリーダーシップの関係
感受性が高い子供は、他者の感情に敏感で共感する能力が高いことが多いという研究があります。
共感力の高い人々は、チームワークやリーダーシップにおいて優れた能力を発揮することが知られています(Decety & Jackson, 2004)。
共感力が高いことは、周囲の人々の気持ちを理解し、適切に対応する力を養うことに繋がり、その結果として人々を導く力となります。
例えば、アメリカの元大統領エイブラハム・リンカーンは、幼少期に非常に内向的で繊細な性格だったと言われています。
彼は貧しい家庭で育ち、学校でも孤立感を感じていたものの、その感受性が彼の深い共感力を育み、奴隷解放などの歴史的な決断に繋がりました。
同じく、ビル・ゲイツも子供の頃は非常に内向的で、クラスメイトとの交流よりも読書やプログラミングに熱中していました。
しかし、その集中力と繊細さが後に世界を変える技術革新を生み出しました。
共感力が低いリーダーシップのリスク
一方、共感力が低いリーダーが組織を率いると、深刻な問題を引き起こすことがあります。
共感力が欠如したリーダーは、部下の声を無視し、短期的な利益や自分本位の目標を優先するため、組織の士気が低下し、創造性や協力性が失われることがあります。
3. 高い感受性が育む倫理観と社会的責任感
感受性と道徳的判断
傷つきやすい子供たちは、他者の気持ちや立場を理解し、道徳的な判断を下す際に深い配慮をすることが知られています。
Krettenauer & Jia(2013)の研究によると、感受性の高い子供は、倫理的な問題に直面した際に他者の感情を考慮し、その後の行動を選択することが多いです。
このような感受性は、子供たちが強い倫理観を育む手助けをします。
例えば、インドの政治家マハトマ・ガンジーは、幼少期に繊細で内向的な性格をしており、いじめや困難な状況を経験しましたが、その経験が彼の倫理観を形成し、後に非暴力運動を推進する原動力となりました。
さらに、環境活動家グレタ・トゥーンベリも、幼少期から感受性が高く、気候変動問題に対する深い憂慮を抱き、その感受性が世界的な行動を呼び起こす結果となりました。
4. 精神的な回復力(レジリエンス)の発達:困難を乗り越える力
感受性とレジリエンス
感受性が高い子供は、一度傷つくと深く悩むこともありますが、適切な支援と環境があれば、強いレジリエンス(精神的回復力)を育てることができるという研究もあります。
Masten(2001)の研究によれば、困難な経験をした子供でも、支援があれば逆境を乗り越え、成長する力を持っていることが示されています。
感受性の高い子供たちは、過去の経験を乗り越え、新たな挑戦に立ち向かうための内面的な力を養います。
反省と自己成長
「自己認識と成長」 - Kegan (1994)によると、感受性の高い子供たちは、過去の経験に対して自己反省をすることが多いです。
失敗や挫折の経験から学び、それをどのように次に生かすかを考える能力が身に付きます。
こうした反省の過程は、ただ単に辛い経験を乗り越えるための手段ではなく、自分の強みと弱みを知り、それを改善しようとする積極的な態度を生み出します。
これは、自己成長に繋がり、新しい挑戦にも前向きに立ち向かう力を養うのです。
5. 親や周囲のサポートが鍵:環境が成長を支える
感受性が高い子供にとってのサポートの重要性
感受性の高い子供にとって、家庭や学校、地域社会などの環境は、その成長に大きな影響を与えます。
感受性が高い子供は、周囲の環境や他者の反応に対して敏感に反応するため、良好な環境で育つことが非常に重要です。
ポジティブなサポートがあれば、彼らはその感受性を強みに変え、困難を乗り越えたり、自己表現を深めたりする力を養うことができます。
一方で、否定的な環境や支援がない場合、彼らの感受性はストレスや不安の原因となり、成長を妨げることがあります。
親や教師、地域の支援者は、感受性が高い子供たちにとって重要なサポートを提供する役割を担っています。
彼らの理解と支援は、子供たちが自分自身を受け入れ、感受性を活かして成長するための礎となります。
ポジティブなサポートが子供の感受性を強みに変える
感受性の高い子供がポジティブな環境に囲まれた場合、彼らの感受性は大きな強みに変わるという研究があります。
Belsky(2005)の「感受性の個人差仮説」によると、感受性の高い子供は、ポジティブな環境に特に良い反応を示す傾向があります。
具体的には、親の愛情や支援、教師の理解と支援、友人や周囲のサポートなどが子供にとって非常に重要な役割を果たします。
こうしたサポートは、子供が自己肯定感を高める手助けをし、感受性をポジティブな形で発揮できるようになります。
例えば、感受性が高い子供は、自分の気持ちを表現するのが難しいことがあります。
ここで親が、子供の感情に寄り添い、感情を正しく認識し、表現する手助けをすることで、子供は感情を上手にコントロールできるようになります。
家族のサポート:家庭の温かい支え
家庭は、感受性の高い子供にとって最も基本的で重要な環境です。
親が子供の感受性を理解し、愛情深く接することで、子供は自分を大切にし、自己肯定感を高めることができます。
親の理解とサポートが子供の感受性を強みに変える
親の理解とサポートが子供の感受性を強みに変えるカギとなるのです。
親としてのサポートは、子供に感情的な安定を提供することです。
感受性の高い子供は、小さなことで傷つくことがあるため、親はその気持ちを受け入れ、共感することが大切です。
例えば、学校で嫌なことがあったときに、
「大丈夫、あなたの気持ちはわかるよ」
と優しく話すことで、子供は自分の感情を正当化され、安心感を得ることができます。
このようなサポートが、子供の感受性を健全に育む土台を作り、将来的にはその感受性が他者とのつながりやリーダーシップに役立つ力となります。
周囲のコミュニティの役割
家庭や学校だけでなく、地域社会やコミュニティのサポートも重要です。
周囲の大人たちが感受性の高い子供たちを理解し、支援することで、子供は自分を表現しやすくなり、社会での自己肯定感を養うことができます。
例えば、地域の活動やボランティア活動に参加することで、子供は他者と協力し、共感を深めることができます。こ
れにより、感受性が社会的なつながりや責任感として発展していきます。
まとめ:傷つきやすさを才能に変える力
「傷つきやすい」という特性は、単なる弱さを意味するものではありません。
むしろ、それは豊かな感受性、思考力、共感力を意味し、適切な環境とサポートがあれば、これらの特性は子供たちの強みとなるとなる研究結果があります。
感受性が高い子供たちは、その特性を活かしながら、将来において大きな影響を与える存在へと成長することができるのではないでしょうか。
私自身、子供の個性と向き合いながら、強みとして活かしていけるよう後押ししていきたいと思います!