はなしのブログ

海外大学院卒 & 渡航歴約20カ国。育児とキャリアの備忘録

脳科学者の本『高学歴親という病』の要約

『高学歴親という病』— 子どもを伸ばすために親が知るべきこと

書籍情報


📖 タイトル: 高学歴親という病: 子どもを潰す親、伸ばす親
✍️ 著者: 成田奈緒子
🏢 出版社: 文藝春秋

 

 

はじめに

「いい学校に行けば、将来は安泰」
「幼いうちから先取り学習をさせた方が有利」

こうした考えが、実は子どもの健やかな成長を妨げることがあるとしたらどうでしょうか。

本書『高学歴親という病』では、発達神経学の専門家である成田奈緒子氏が、教育熱心な親ほど陥りやすい思考の偏りと、その影響について詳しく解説しています。

 

子どもの成長には「脳の発達に応じた経験」が欠かせませんが、学力や結果を重視するあまり、本来の成長の流れを無視してしまうことがあるのです。

 

この記事では、本書の内容を紹介しながら、「子どもの可能性を伸ばすために親ができること」を考えていきます。

 

1. 成田奈緒子氏のプロフィール

成田奈緒子(なりた なおこ)氏

  • 発達神経学を専門とする医師であり、教育に関する豊富な知識と経験を持つ専門家
  • 日本大学医学部を卒業後、医療・教育現場での経験を積み、特に子どもの発達に関する研究に注力
  • 教育における親の役割について深い洞察を持ち、「脳の発達に基づいた適切な育児」を提唱
  • 学力主義や過度な教育熱心がもたらす悪影響について警鐘を鳴らし、子どもが自分らしく生きる力を育むための方法を説いている

 

2. 「高学歴親という病」とは?

本書のタイトルにある「高学歴親という病」は、学歴の高い親ほど陥りやすい思考や行動パターンを指します。

具体的には、以下のような特徴が見られます。

① 学力至上主義になりがち

高学歴な親は、「学歴が高いほど将来の選択肢が広がる」という考えから、幼いうちから知識の詰め込みを重視する傾向があります。

 

しかし、学力だけを優先するあまり、子どもが自分で考える力や好奇心を育む機会を奪ってしまうことも。

 

② 失敗を避ける完璧主義

「間違えないように」「失敗しないように」と、親が先回りしてしまうことがあります。しかし、失敗から学ぶ経験は、子どもの成長にとって非常に重要。

 

③ 子どもに過度なプレッシャーをかける

親の期待が大きいと、子どもは「期待に応えなければならない」と感じ、ストレスを抱えやすくなる。

その結果、学習への意欲を失ったり、自己肯定感が低くなったりすることも。

 

④ 発達の順番を無視した教育

脳の発達には順序があり、幼少期には「身体を使った経験」が不可欠。

しかし、幼いうちから机に向かわせたり、知識の詰め込みを優先したりすると、脳の成長バランスが崩れることがある。

 

3. 脳の発達に合わせた「学び」の重要性

著者は、「子どもの脳は段階的に発達するため、それに応じた経験が必要」と述べています。

 

🟢 幼児期(0〜6歳): まずは「身体の発達」

  • 運動・遊びを最優先に(走る・跳ぶ・登るなどの体験が脳の発達を促す)
  • 早期教育よりも、「五感を刺激する経験」を大切にする

 

🟡 小学校低学年(6〜9歳): 「感情の安定」が学びの土台

  • 友達との遊びやルールを学ぶことが、将来の学習意欲につながる
  • 「できた!」という達成感を大切にし、自信を育てる

 

🔵 小学校高学年以降(10歳〜): 「思考力」が育ち始める

  • 自分で考え、試行錯誤する機会を増やす
  • 「なぜ?どうして?」と問いかけることで、論理的思考を養う

 

親が焦って知識を詰め込むのではなく、発達の流れに沿った経験を積ませることが、結果的に子どもの学力向上にもつながります。

 

4. 親ができる「子どもを伸ばす関わり方」

本書では、親が意識すべきポイントとして、次の3つが挙げられています。

① 子どもの「できること」を認める

不足を指摘しない

「〇〇が苦手」「もっと頑張らせないと」と不足を指摘するのではなく、「ここができるようになったね!」と成長に目を向けることが大切。

② すぐに手を出さず、「待つ」ことを意識する

親が答えを出さない

子どもが考える時間を確保し、親が答えを出さないことが重要。

特に、子どもが何かに挑戦しているときは、口を出さずに見守る姿勢を持つ。

 

③ 子どもの個性を尊重し、「ありのまま」を受け入れる

その子らしさを伸ばす

成績や学歴にとらわれるのではなく、「この子らしさ」を伸ばす視点を持つことが、長期的に子どもの幸福度を高めます。

 

5. 『高学歴親という病』が伝えるメッセージ

本書の一番のポイントは、「親の価値観を押し付けるのではなく、子どもが自分らしく成長できる環境を整えることが大切」ということです。

 

親がどれだけ「成功の道筋」を描いても、それが子どもの幸せに直結するとは限りません。

 

むしろ、「自分で考え、選び、行動する力」を育むことが、子どもの未来を切り拓く大きな力になります。

 

本書を読むことで、


✅ 子どもに高すぎる期待をかけていないか見直せる
✅ 「正しい教育とは何か?」を考えるヒントが得られる
✅ 子どもの可能性を最大限に伸ばす方法がわかる

といった気づきを得られると思います。

 

まとめ: 子どもにとって本当に大切なこと

「いい学校に行けば安心」という価値観は、今の時代には合わなくなりつつあります。

大切なのは、学歴ではなく、自分の人生を切り拓く力を身につけること。

 

そのために、親ができることは、子どもの発達を理解し、適切な環境を整えること。

焦らず、子どもの成長を信じて見守ることが、結果的に大きな力になるといった内容でした。

私自身、ドキッとする内容がいくつもありました・・!

本書を子育ての参考にさせてもらいます。

 

📚 『高学歴親という病』、ぜひ一度読んでみてください!

 

 

 

 

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