はなしのブログ

海外大学院卒 & 渡航歴約20カ国。育児とキャリアの備忘録

読書『努力不要論』要約とレビュー

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「努力不要論」:新しい時代の生き方を探る

はじめに

「努力不要論」というタイトルを聞いたとき、何を思い浮かべるでしょうか。

私自身は、地頭の良い方ではなく、努力だけで生きてきた人間なので、複雑な感情と、どこかで肩の荷が降りたように感じました(笑)。

 

私たちが普段「努力こそが成功への近道」として推奨してきた価値観とは、逆の考え方を提示する本書。

 

しかし、この本が提唱する「努力不要」の理論は、単なる無気力や怠惰を促すものではなく、むしろ効率的で本質的な生き方を目指すものです。

 

本書は、現代社会で最も重要な価値観や行動を見直し、どのようにして自分自身の生き方を再構築するかを教えてくれます。

「努力」や「頑張ること」が無条件に評価されることが多い現代ですが、本書はその常識に疑問を投げかけ、「もっと楽に、もっと効率よく生きる方法」を提案しています。

 

 

努力不要論

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日本の歴史背景と「努力」の価値観

歴史的な根付き

本書が示す「努力不要論」の示唆は、単なる個人的な生き方の問題にとどまらず、実は日本の歴史的背景に深く根ざしています。

 

日本社会において「努力」とは、長い間、非常に強い価値観として根付いてきました。

特に、江戸時代から明治時代にかけての封建社会においては、農民や武士などの階層ごとに「忍耐」や「努力」を美徳とする風潮が広まりました。

 

江戸時代の「努力」の価値観

江戸時代において、農民や商人たちは厳しい労働環境の中で生き抜くために「努力」を重視しました。

長時間働き、家族を養うために様々な困難に耐えることが求められ、これが社会全体で「努力は報われる」という価値観を強化したのです。

この時代、成功するためには自分を犠牲にし、辛抱強く努力を続けることが重要だとされていました。

明治時代の西洋化と「努力信仰」

明治時代には、西洋の近代化思想を取り入れるために、さらに「努力」の価値観が強化されました。

特に西洋の産業革命を模倣する中で、工場労働や軍事的な精神が奨励され、「努力こそが社会進歩や国家繁栄に繋がる」と考えられるようになりました。

この時期、教育においても「勉強し、努力すること」が国民の義務とされ、全体主義的な色合いを帯びた「努力信仰」が広まりました。

戦後の「努力文化」

戦後、日本は復興の過程で「努力」を一層重要視するようになりました。

経済成長を遂げるためには、個々の努力が必要不可欠だとされ、これが高度経済成長期における労働者の働き方に色濃く反映されています。

過労や精神的な負担を抱えながらも、成功を求めるために不断の努力を続けることが美徳とされ、これが現代日本の働き方にも深く影響を与えました。

脳科学的視点で見る「努力不要論」

脳科学的に見ると、私たちが「努力」し続けることには限界があり、無理に努力し続けることが脳に与える影響についての研究が進んでいます。

 

脳は長時間の集中や過度なストレスを受けると、疲労が蓄積し、効率が落ちることが分かっています。

さらに、無理な努力は「やる気を維持するための神経伝達物質」のバランスを崩し、最終的には燃え尽き症候群やうつ状態に繋がることもあります。

 

脳の「前頭前野」は計画的な行動や意思決定を司る部分ですが、ここが長時間にわたり過剰に働きすぎると、判断力や意思決定能力が低下し、最終的には認知機能の低下を引き起こすことがあるのとの見解もあります。

 

これに対して、「努力不要論」が提案する「自然な流れに従う」や「無理をしない」アプローチは、脳のリソースをより効率的に活用することに繋がります。

 

 

無理な努力は不要

休息やリズムを重視

脳科学的に言えば、過度の努力や無理をし続けることで、脳内のストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が増加します。

 

コルチゾールは短期的には有益な作用をもたらしますが、長期間にわたる過剰な分泌は、免疫力の低下や思考力の鈍化を引き起こします。

 

無理な努力が心身に及ぼす悪影響を避け、効率的に目標を達成するためには、休息やリズムを重視することが必要です。

 

リズムと流れを大切にする

一定のリズムと最適なパフォーマンス

脳は、一定のリズムを保つことで、最適なパフォーマンスを発揮します。

過度のストレスや疲労を感じる前に休息を取ること、そして定期的に作業のペースを調整することが脳にとって非常に重要です。

特に「深い集中状態」に到達するためには、脳が十分にリラックスした状態を保っていることが必要です。

 

本当の意味での「効率」を追求する

 

脳科学では「効率性」を追求するためには、脳のエネルギーを無駄に消費しない方法を選ぶことが重要だとされています。

 

努力している感覚に捉われると、脳が無駄なエネルギーを消費してしまい、最も効果的な方法を見失うことになります。

効率的な思考を実現するためには、時には休憩を取り、脳をリセットすることが必要です。

 

結論

「努力不要論」は、今の社会において時宜を得た書籍だと思いました。

脳科学的にも、無理な努力を続けることのリスクが明らかになっており、この本は新しい生き方を提案してくれます。

もっと自然に、もっと効率よく生きる方法を学ぶことで、心身の健康を保ちながら、より充実した人生を手に入れることができると説いています。

 

感想

 

日本社会における「努力」の価値観が、いかに強固で長い歴史を持っているかを理解した上で、脳科学的な視点から「努力」の本質を見つめ直すことは、非常に興味深いものでした。

 

単なる「努力を否定する」ということではなく、脳科学や実際の事例を交えながら、どのようにして効率的に、そして自然に自分のペースで成果を上げるかを教えてくれる本書は、現代人が抱えるストレスや過労に対する一つの解決策を提供してくれるように感じました。

 

無理に努力し続けることが脳に与える悪影響や、リズムを大切にした生き方がどれほど効率的で持続可能なのかを知り、私自身も日々の生活や仕事に対するアプローチを見直したいと強く思いました。

 

「努力」はもちろん大切なものですが、それを追求するあまり、心身を犠牲にしてしまうような働き方や生き方は、もはや時代遅れなのかもしれません。

 

今後の人生において、無理をせず、自分のペースを大切にしながら、日々の努力を続けていくことができるようになりたいなと思いました。

 

努力不要論

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