- 『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』の本を紹介
- 本書の概要
- 内向的な子どもを知る
- 内向型・HSC型の子の力を伸ばす接し方
- 内向型・HSC型の子どもに避けるべき接し方
- 内向的な子どもの「すごい力」
- 内向的な子どもの未来は明るい?
- 読後の感想とおすすめポイント
- まとめ
『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』の本を紹介
はじめに
内向的な子どもを育てる親にとって、「どのように接すればよいのか?」と悩むことは多いではないでしょうか。
我が子も、家族や仲の良い友達といるときは元気ですが、基本は繊細で人見知りなタイプです。
本書『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』は、内向的な子どもの持つ強みを理解し、適切な声かけや関わり方を通じてその力を伸ばす方法を紹介しています。
著者の吉田美智子さんは、臨床心理士・公認心理師で2000人以上の親子の悩みを解決してきたカウンセラーです。
本書の概要
本書では、内向的な子どもが持つ特性や長所を活かすための具体的なアプローチを、科学的な視点や実例を交えながら解説しています。
親や教師がどのように声をかけることで、子どもが自信を持ち、安心して成長できるのかが詳しく学べる一冊です。
内向的な子どもを知る
本書では、内向的な子どもを3つのタイプに分類し、それぞれの特性を理解することが重要だと述べています。
① 内向型タイプ
このタイプの子どもは、一人の時間を好み、深く考えることが得意です。
例えば、読書や創作活動に没頭することが多く、広く浅くよりも、特定の分野に深い興味を持ちます。
② HSC型タイプ(Highly Sensitive Child:ひといちばい敏感な子)
このタイプの子どもは、環境や人の感情に対して非常に敏感です。
音や光、においなどの刺激に影響を受けやすく、また、周囲の人の気持ちを深く察する能力があります。
③ トラウマ型タイプ
過去の経験や環境によって、慎重になりがちな子どもです。
強いプレッシャーや否定的な経験が原因で、人前での発言を避けたり、新しい環境に不安を感じやすい傾向があります。
内向型・HSC型の子の力を伸ばす接し方
内向的な子どもの特性を理解する
例えば、家で一人で遊ぶことが好きな子どもに対して、
✖︎「もっと友達と遊ばなくていいの?」
と声をかけるのではなく、
◎「一人遊びが好きなんだね。どんな遊びが楽しい?」
と興味を示すことで、子どもの自己肯定感を高めることができる。
適切な声かけで自己肯定感を育む
例えば、人前で話すのが苦手な子どもに対して、
✖︎「どうして話さないの?」
ではなく、
◎「考えてから話したいよね」
◎「あとで教えてくれる?」
と声をかけることで、子どもが自分のペースで考えることを肯定的に受け止めることができる。
無理に外向的にしようとしない
例えば、公園で他の子どもと遊ぶのをためらっている子に対して、
✖︎「みんなと遊ばないの?」
ではなく、
◎「一緒に遊びたくなったら教えてね」
と伝えることで、子どもが自分のペースで人間関係を築くことができる。
また、
◎「お話ししなくても、聞いているだけで大丈夫だよ」
と伝えることで、安心感を育むことができる。
学校や社会での適応をサポートする
例えば、子どもが学校のグループ活動が苦手だと話した場合、
✖︎「頑張って発言しなさい」
ではなく、
◎「聞いているだけでも参加していることになるよ」
と伝えることで、無理なく適応できるようにサポートできる。
また、
◎「少人数のほうが話しやすいこともあるよね」
と共感することで、子どもが安心できる環境を見つけやすくなる。
成功体験を積み重ねる
例えば、
知らない人と話すのが苦手なお子さんの場合、いきなり大勢の前で話させるのではなく、
◎「お店で『ありがとう』を言ってみる?」など
小さな成功体験を積み重ねることで、自信をつけることができる。
また、「公園でお友達と一緒に遊べたね」など、できたことを具体的にほめることで、成功体験が増えていく。
内向型・HSC型の子どもに避けるべき接し方
-
「もっと積極的になりなさい」と無理に外向的にさせる。
-
失敗を責めるような言葉をかける。
-
考える時間を与えず、すぐに答えを求める。
-
本人の特性を否定するような発言をする。
内向的な子どもの「すごい力」
内向的な子どもには、以下のような素晴らしい特性があります。
深い思考力
物事をじっくり考え、洞察力に優れているため、独自の視点を持つことができます。例えば、歴史や科学の分野で専門的な知識を持つ研究者や作家になることもあります。
創造力が豊か
内向的な子どもは、一人での遊びや読書を好むことが多く、その分想像力を発展させやすいです。アーティストやデザイナー、作家などの分野で活躍する可能性があります。
観察力が鋭い
周囲の人々の感情や雰囲気を敏感に察知する能力があり、心理学者やカウンセラー、チームリーダーとして優れた資質を発揮します。
集中力が高い
興味を持ったことに対して長時間集中することができるため、プログラマーや学者、研究者に向いていることが多いです。
思慮深く、共感力が高い
相手の気持ちを考えながら行動できるため、人間関係を大切にする職業(医師、教師、作家など)でもその力を発揮します。
内向的な子どもの未来は明るい?
結論として、内向的な子どもは将来、大きな可能性を秘めています。
社会では外向的な人が評価されがちですが、内向的な人の持つ「深い思考」「集中力」「共感力」「創造力」などは、多くの分野で必要とされる力です。
例えば、
-
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者):幼少期は内向的で、読書とプログラミングに没頭していました。
-
アルベルト・アインシュタイン(物理学者):一人で考えることを好み、独自の理論を築き上げました。
-
J.K.ローリング(作家):内向的な性格が豊かな想像力を育み、『ハリー・ポッター』シリーズを生み出しました。
このように、内向的な特性を活かすことで、さまざまな分野で成功を収めることができ人たちがいます。
読後の感想とおすすめポイント
本書は、内向的な子どもの特性を「欠点」ではなく「強み」としてとらえ、その子らしさを尊重しながら成長を支えるための実践的なアドバイスが詰まっています。
特に、親子の会話例や具体的な声かけフレーズが豊富に紹介されているため、「どう声をかけたらいいのか?」と悩んでいる方にとって、すぐに実践できる内容となっています。
また、内向的な子ども自身が「このままの自分で大丈夫なんだ」と思えるヒントも満載です。
親としても、無理に変えようとせず、個性を尊重することの大切さを改めて考えさせられる一冊でした。
まとめ
『声かけで伸ばす 内向的な子のすごい力』は、内向的な子どもの可能性を広げるための、温かく実践的なアドバイスが詰まった一冊でした。
子どもが持つ「静かな力」を理解し、適切な声かけと環境を整えることで、その子らしい成長をサポートできます。
内向的な子どもの良さを引き出したいと考えている方に、ぜひおすすめしたい一冊です!
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