私は、某大企業の経営戦略室のような部署に所属しています。
この部署に異動するまでは、キャリアの半分を営業職として働いていました。
営業職は、クライアントにモノやサービスを得ると言うシンプルな職業です。
目的もわかりやすいし、成功や失敗の定義もわかりやすい仕事です。
一方で今の仕事は、戦略立案や調査分析の仕事です。
会社が国内外の企業とどう提携をして事業拡大をしていくか、どのような分野または企業に投資をして儲けていくか、などの戦略を立てていく部署になります。
一見聞こえは良いですが、業務の大半は、経営陣から突然降りてくる、指令に対応することです。
「この企業との提携ポテンシャルを調べてくれ」
「この分野を調査してくれ」
「この海外の分野が日本に進出した時の影響について分析してくれ」
ももちろん、ただ調査分析するだけではありません。
自分たちで、自分たちなりに、結論を出します。
その結論に、経営陣は大きく左右されることもあります。
ふと考える時があります。私のお客様は上司達なんだと。
営業の時に比べれば、閉塞的な仕事だなぁと。
調査資料の提出先も上司、評価を決めるのも上司。
社外のお客様であれば、打ち合わせをセッティングして、丁寧に用件を聞いて提案活動をすることができます。
ただ上司の場合、非常にぶっきらぼうに、案件が降りてきます。
そのぶっきらぼうな依頼に対して、どういう意図があるのか、どういう資料にしていきたいのか、様々憶測をしながら、成果物を作っていきます。
会社として情報共有は大事ですが、すべての経営課題や経営戦略を、私たちメンバーに共有するのは難しいのです。
ふと、やりがいは何なのだろう?。と思うことがあります。
仮に素晴らしい調査資料を作成したところで、世の中に出るわけではありません。
上司が、経営会議の手持ち資料として、持っていき、1つの材料となって消えることが多いのです。
自分自身に経験として残るものもあります。
資料作成能力や、質の高い調査分析、 プロジェクトを 推進することも多いので、リーダーシップも鍛えられているかもしれません。
この会社で培った能力を、いつかは、もう少し直接、世のため人のために発揮できますようにと思っている きょうこの頃です。