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- 海外大学院 修士号
- 【体験談】社会人5年目でイギリスの大学院へ進学した理由
- 社会人6年目で大学院留学を決意した理由
- MBAではなく「都市開発学」を選んだ理由
- なぜイギリス・UCL(ロンドン大学)の都市開発学を選んだのか
- UCL The Bartlettでの学びの特徴と魅力
- 社会人が働きながらの出願準備は大変だった
- ロンドンでの新生活と、ドキドキのオリエンテーション
- スリランカ西部海岸エリアでのフィールドワーク体験
- UCLで学んで本当に良かった3つのこと
- 都市開発学で得た一生モノの学び
- 最後に:社会人でイギリス大学院へ。迷った分だけ得られるものがある
【体験談】社会人5年目でイギリスの大学院へ進学した理由
UCL都市開発学で得た一生モノの学び
こんにちは。はなしのです。
社会人6年目でイギリス・ロンドンにあるUniversity College London(UCL)の都市開発学修士課程に進学した経験を書きます。
社会人として働きながら、なぜ都市開発学を専攻するために大学院留学を決意したのか。
UCLでの学びの特徴や、特に印象深かったフィールドワークの体験、出願準備などをご紹介します。
都市開発に関心のある方や、社会人として専門性を深めたい方にとって参考になると幸いです。
社会人6年目で大学院留学を決意した理由
海外大学院での学びは一生の財産になる
進学の理由はシンプルでした。
「海外の大学院での学びは一生の宝になる」と感じたからです。
もともと勉強が好きで、もっと学問を深めたいという思いがありました。
また、英語で専門的なディスカッションを行い、異なるバックグラウンドを持つクラスメートと学び合う環境に強く惹かれていました。
MBAではなく「都市開発学」を選んだ理由
MBAと迷った経験:自分の興味を優先した選択
当時は某企業の投資部門で働いており、「キャリアアップのためにMBAを取得すべきか」と悩んでいました。
でも、本当に自分が学びたいことは何だろう?と考えたとき、学生時代の経験が蘇ってきました。
バックパッカーとして訪れた世界の都市で見た、貧富の格差。
この原体験が、都市のあり方や格差についてアカデミックに探求したいという想いへと変わり、最終的に「都市開発学」という道を選びました。
キャリアに直結しなくても、自分の学びたいことに素直になることを大切にしました。
この選択は、今振り返っても良い決断だったと思っています。
なぜイギリス・UCL(ロンドン大学)の都市開発学を選んだのか
UCL The Bartlettの世界的評価
UCLのThe Bartlett School of Planningは、都市開発分野で世界的に高く評価されています。
2024年のQS世界大学ランキングでは、建築・都市環境分野で世界第1位にランクインしています。
都市開発学の教育と研究において評価されている一流の環境で学びたいと思いました。
実践的なカリキュラムと多様なバックグラウンドの学生
The Bartlettでは、実践的なカリキュラムと多様なバックグラウンドを持つ学生が集まります。
様々な価値観に触れ、異なる視点からの学びが可能となり、都市開発における多角的なアプローチを身につけることができると思いました。
UCL The Bartlettでの学びの特徴と魅力
1. 世界トップクラスの研究・教育環境
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世界ランキングの高さ
The BartlettはQS世界大学ランキングの建築・都市環境分野で常に上位にランクインしています。世界トップレベルの教授陣が揃い、最新の研究成果が教育に反映されています。 -
多様で革新的な研究テーマ
都市開発、持続可能な都市設計、社会包摂、交通計画、都市政策、気候変動への対応など、幅広く先端的なテーマをカバー。これにより、現代都市が抱える複雑な問題に対する解決策を学べます。
2. 実践重視のカリキュラム
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フィールドワークとプロジェクトベース学習
教室での講義だけでなく、実際の都市開発現場やコミュニティに足を運び、現地調査やインタビュー、プロジェクトワークを通じて実践的なスキルを身につけます。 -
現場との連携
地方自治体や国際機関、NGOなど多様なステークホルダーと連携し、実社会での問題解決に直結する経験が得られます。
3. 多様な学生・教員による国際的な交流
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世界中から集まる学生
さまざまな国・文化的背景を持つ学生が集まり、異なる視点や経験を共有します。これにより、多文化共生や国際的視野を自然と養えます。 -
多様性の尊重と協働学習
ディスカッションやグループワークを重視し、多様な価値観の融合から新しいアイデアやソリューションが生まれます。
社会人が働きながらの出願準備は大変だった
効率的に準備を進める必要あり
エッセイ、推薦状、IELTSの勉強、志望理由の明確化…仕事が忙しかったので、すべてにおいて時間と戦いながらの作業でした。
この辺りの具体的な準備ステップは、別の記事で詳しく紹介しています。
大学院の出願は情報収集から書類準備、英語能力証明の取得まで多くの準備が必要です。
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志望理由書(Personal Statement)の作成
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推薦状の依頼(職場の上司や大学時代の教授など)
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IELTSの試験対策・受験
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学業成績証明書の取得
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出願締切日を逆算して計画的に準備
特に志望理由書は、自分のキャリアの軸と大学院で何を学びたいかを明確に伝える必要があり、何度も推敲しました。
留学エージェントや大学の入学担当者と連絡を取りながら情報を更新し、不安や疑問をひとつずつ解消していきました。
ロンドンでの新生活と、ドキドキのオリエンテーション
UCLでの初日、緊張していました。
オリエンテーションでは、教授陣がステージの“縁”にラフに座って登場。
「最低でも週35時間は授業以外での学習が必要」と、意外とシビアなことを淡々と話す姿に、緊張と期待が高まりました。
スリランカ西部海岸エリアでのフィールドワーク体験
スリランカの都市開発問題を研究
スリランカの都市開発問題を研究・改善に向けた論文を作成して発表するために、教授陣・クラスメイト全員でスリランカに行きました。
スリランカの西部海岸エリアは急速に都市化が進んでいます。
そこで実施された都市計画により、以前スラムに住んでいた人々が高層マンションに移動しました。
表面的には生活環境の改善のように思えますが、現地での調査を通して、さまざまな課題が明らかになりました。
コミュニティ破壊と宗教的摩擦
西部海岸エリアは急速に都市化のため、スラムで築かれていた強いコミュニティが破壊され、異なる宗教背景の住民が同じビルに住むことになったため、摩擦が生まれていました。
あるビルでは、階段の放尿臭や自殺者の発生、子どもが外出を恐れるなど深刻な問題が発生していました。
1件1件、ご家庭を訪問して、インタビューをして実態をまとめていきました。
同じコミュニティがまとまった場合の成功例
一方で、同じ宗教やコミュニティの住民が集まるマンションでは、住民同士が協力して公共スペースの掃除を交代で行い、清潔で快適な環境が保たれていました。
この違いは、都市計画におけるコミュニティの重要性と、住民参加型の管理の効果を示しています。
現地での調査とディスカッション
国連開発計画(UNDP)や地方政府の関係者とディスカッションを重ね、住民インタビューや過去の学術論文の調査を行いました。
その結果を踏まえ、グループで共同論文を作成。
都市開発の理論だけでなく、現場のリアルな課題に向き合う貴重な機会でした。
UCLで学んで本当に良かった3つのこと
① 世界中から集まる多様なクラスメートとの学び
私のクラスは、ほぼ全大陸から学生が集まっていました。
宗教・文化・ジェンダーもバラバラで、まさに多様性の縮図。
ディスカッションや共同論文を通して、異なる視点に触れることができたのは、人生で最も貴重な経験のひとつです。
② 正解のない問いに向き合う学びの姿勢
日本の教育では「正解を導くこと」が求められる場面が多いですが、UCLでは違いました。
教授が「私もわからない」とよく言っていたことが印象的で、都市開発という複雑な分野では「正解」ではなく「最善」を目指す姿勢が求められていました。
③ 論文漬けの毎日で、思考力と表現力が鍛えられた
評価は試験はなく、すべて論文。
最初の学期は評価も伸び悩みましたが、悔しくて猛勉強。
後期には最高評価をいただけた論文もあり、大きな自信につながりました。
都市開発学で得た一生モノの学び
世界中の仲間たちと、正解のない問いに挑む
UCLでの学びは単なる知識の習得にとどまりませんでした。
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多様性の尊重と共生の大切さ
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理論と実践の融合
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コミュニティの力を活かした都市づくり
これらの視点は、今の仕事や日常生活でも欠かせない宝物です。
最後に:社会人でイギリス大学院へ。迷った分だけ得られるものがある
社会人としてのキャリアをいったん止める決断は勇気がいりましたが、UCLでの学びは人生を豊かにする経験そのものでした。
世界中の仲間たちと、正解のない問いに挑み、考え、語り合った日々。
「自分の興味に正直になり、学ぶことを大切にする」という姿勢は、今後の人生でも大切にしていきたいと思っています。
以下の記事も書いています。ご参考にして頂けたら嬉しいです。